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自分が体験したこと、自分の頭で考えたことを書きます

水滸伝(北方 謙三)第1巻 続き

【第一巻】天孤の星

禁軍の張った罠は林冲はついに追いつめる。

林冲は元々は流れ者で魯智深と知り合ってから反乱の企てに加わった。
槍術師範として禁軍に紛れ込み、妻帯したほうが怪しまれまいと妻をめとった。
あくまでも革命こそが自分の目指す所であるとしながら、
性根の腐った将校相手にへつらい訓練を施す日々に鬱屈として、
美人と評判の妻を抱いて気を紛らわしては自己嫌悪に陥っていた。

そうした心の隙を突かれたのだ。
妻が家に間男を呼んでいると吹き込まれた林冲
高俅からの使者を誤って殺害して捕縛される。
全ては林冲を捕えて反乱分子の情報を吐かせるための罠だった。
計画を練ったのは諜報機関を仕切る李富という男だった。
極限の状況下での拷問が始まった。

捕縛の知らせを聞いた宗江(反乱首謀者の地方役人)は、
安全のためいちど行方をくらますべきだと説く魯智深を諭して言う。
「自分は逃げない。林冲を信じたい。林冲ひとりを信じきれずに何の大義の戦であるか」
今のところ宗江の思想・信条に心酔している同志は林冲含めて数人だった。
そんな状況では同志の苦しみを察して信じきることが自分にとっての
戦いであると宗江は理解しており、
その姿がまた同志を束ねていく要ともなっていた。
(続く)