omadog-blog

自分が体験したこと、自分の頭で考えたことを書きます

イベント報告:現役官僚に聞いてみよう。福島の復興って今どうなっているの?

高岡で語る、福島の「今」と「未来」

7月6日(土)に経済産業省に勤める官僚であり福島県で原発被災地の住民支援に

携わってきた友人の吉原君を招き、福島の復興の今についてイベントを開きました。

現場にいるからこそ見える問題、遠くから見た時とのギャップなどをざっくばらんに

語ってもらいました。(光栄な事に毎日新聞の富山版にて紹介いただきました。)

 

以下、イベントで議論された内容を簡単にお伝えします。

 

f:id:omadog:20130706154034j:plain

 

福島と他の被災地の違いとは

福島の被災地の特徴として次の3点がある。

 

1. 放射線による汚染 

2. 長期間にわたる放置 

3. 賠償問題   

 

放射線対策として表土や農地をはぎ取る「表土はぎ」や線量の継続的な

モニタリングを行っている。また家屋を取り壊そうとすると持ち主に対して

全額補償することが必要で非常にコストがかかる。

 

津波の被害を受けた地域は、家や町をまるごと流されてしまったが故に

町の復旧とは別の新たな目標を見据えて復興に向かっているところもあるが、

福島は津波よりも原発事故の被害が大きく、新築の家屋などもそのまま

残して避難を余儀なくされてしまった人がほとんど。その分、元の場所に

帰る事、原発事故の前の生活を取り戻す事がゴールとして定まってしまい

他の道が見出しづらい。とは言え、非常時の対応であり、復興のゴール

について広く意見を募る場が少なかったのも事実。

 

福島の復興で政府が目指していることは何か

政府が目指しているのは約7万人の避難民の帰還。病院や学校、

上下水道などインフラの復旧がいまの課題。企業や商店の誘致も急務。

帰還を妨げる障害として、長らく放置された家屋の問題がある。

雑草がびっしり生えた田畑。ネズミが繁殖したり、畜産場から逃れた

豚が食物を求めて空き家に棲み着いていた例もあった。

現場にいると草刈りや害獣駆除の要望が多く挙がるが、中央に審議を

通す時には問題の重要さが伝わりにくい上に補助金の制度が必ずしも

整っているわけではなく、細かい要望に応えにくい事もある。

 

賠償問題と地域間の軋轢

避難指示区域でもレベル毎で受け取ることができる賠償額に差が出る。

同じ原発事故の被害者であるのに、不公平感を募らせる人もある。

いわき市 などはマンションなど賃貸物件で暮らす避難民が増えたために

地価が上昇して市民の生活に影響を与えており、市町村単位での反感が

出てきているのも事実である。

 

大切なのはリーダーシップ

川内村の遠藤村長は避難した12市町村の中で唯一「帰村宣言」をした人物。

自分達が進むべき方向を示し、国に要望を上げるだけでなく自分達で解決可能な

事案は自分で対処するという問題の切り分けがきちんとできる人物。

ビジョンに向かってとるべき施策を遂行するリーダーシップで川内村への

2012年12月にファミリーマートの出店を実現した。

 

参加者からのコメント

・現場じゃないと分からない福島の現実を知る良い機会だった

・議論を通じて、人類が原子力を扱う知恵をいまだ完全に獲得していないという

 事実を改めて思い直させられた

・他の参加者との距離感も近しく感じられ発言しやすかった

・意見のやり取りが白熱したのは良いが、全体的なコントロールはもう少し必要

 

全体を通して

非常に活発に意見交換がされたイベントになり、一方的な講義ではなく

双方向の対話というのを実現できたと思います。反省点として話題が

拡散しすぎないためのファシリテーションや時間配分をより細分化する

ことで進行をスムーズにできると感じました。

ワークショップの企画について、もっと学習が必要であることを痛感

させられましたが、懲りずにまた企画したいと思います。

 

次回は8月31日、東大からJETROに就職、バングラデシュに赴任した

経験を持つ友人を招いて発展途上国の事で色々盛り上がりたいと思います。

 

毎日新聞の富山版に掲載していただきました

 今回の活動について興味を持っていただいた毎日新聞の方に記事を

書いていただきました。7月4日(木)の朝刊に載りました。

f:id:omadog:20130722010951j:plain

 

f:id:omadog:20130722005056j:plain