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自分が体験したこと、自分の頭で考えたことを書きます

クール・ジャパン戦略がちょっぴりコールドな件について

先日、クール・ジャパン戦略に関わっている友人を「おおかみこどもの雨と雪」で

登場する家のモデルになった「花の家」に案内した。有志のファンだけで家屋の

保全と来訪者の対応をしている現状に接してクール・ジャパン推進の一環として

何かできないか彼も真剣に考えてみるという運びになった。

カッコいい日本のイメージを売り出す施策を、クールとは最もかけ離れた位置

にある御役所が音頭を取ることに寒々しい思いがしないわけではありませんが。

 

マスコミの報道があまりにも偏りがちなため、クール・ジャパン=アニメ萌え

だと完全に誤解されているが、私が理解してる限りでは平成22年頃から各省庁

をまたいで日本の伝統工芸や高い技術をほこる産業をもっと世界に発信して

いこうとする産業振興的な意味合いで口火が切られたはず。

それから経済産業省文化庁が独自の施策を提言、一昨年の震災も背景にあり

日本ブランド、経済の復興から世界へと漕ぎ出す新たな産業の発展を模索する

機運がクール・ジャパンの言葉とともに広まっていった。

そして今の安倍政権下でも内閣官房からアクション・プランが提言されている。

これらの問題意識には私も全面的に共感できるがどうしても違和感というか、

ちょっぴりコールドな所も多く感じていて、それは既に海外に進出して成功を

収めている事業や高い評価を得たアニメ・漫画作品を「先行事例」として

片っ端からかき集めてきて、それに続く事例を何でもいいから出してやれって

感じで予算と仕組みを用意しましたっていう、とりあえずやった感。

もちろん担当者も頭の良い人達だから先行事例の猿マネで済む話ではないと

理解しているが、結局クール・ジャパンの意味を施策を立案する側が理解できて

いないのだろう。

 

まず日本にあるクールな「モノ」について話すと、各地方で培われた技術や工芸が

どんなものがあるかを知ることが不可欠だけど、海外の人が日本の何をもって

「クール」だと見なすのかを、相対的な視点で理解できていない気がする。

日本の何にクールさを見出すかはそれを見つめる世界の人々自身なのに。

「見てくれよ。コレってクール・ジャパンなモノなんだぜ。どうだい。

 日本政府のお墨付きだぜ。カッコいいだろ、ほら。サッサと買えよ。」

こんな具合に 押し付けられたら、誰がそれをクールだと思うだろうか。

 

マンホールの蓋や立体駐車場、コンビニのおにぎり、キャラ弁や弁当箱が

クール・ジャパンとなりうることを実感を持って理解している人がどれだけ

いるのか、気になるところだ。

もちろん海外への販路開拓を促進するのは目指すべき方向なので成功事例が

増えるきっかけになれば良いと思う。

 

まぁでも、ややひねくれた予想をすると、すでに海外進出で成功を

おさめている事業を後押しする形か、推進機構に名を連ねている人達の

企業やビジネスに投下されてお終いになるのではないか。

 

アニメや漫画にしてもどうだろうか。海外に受ける作品を作り出す

人材の育成に長期的に援助が実施されるならともかく、ポケモン

ナルト、進撃の巨人など既に海外で人気を博している作品の版権を

握っている一部の関係者に資金が流れ込んで終わりという気がする。

ちょっぴりコールドに加えて、政府の資金を完全ホールドである。

 

アニメ・漫画でクール・ジャパン促進と外貨獲得を目指すなら聖地巡礼

まつわる情報発信をもっと強化してはどうか。アニメで人が動く、

その中の世界観やストーリーを追体験するために人が長い時間を移動し、

お金を払うことを厭わないという事実をまず認識して観光資源として

聖地を維持していけば地域経済の振興にもつながっていくと思うのだが。

上記の「おおかみこどもの花の家」の紹介記事はこちら

 

こちらの資料によれば株式会社海外需要開拓支援機構は今後20年存続との

ことなので、試行錯誤しつつ柔軟な運用がされることを期待しております。